日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2021年7月14日会議には意見が言いやすい論点を提示しよう!

会議でほとんど意見が出ない、ということはありませんか?

また、色々と意見は出るけど好き勝手なことを言うので全然まとまらない、ということはありませんか?

その原因には色々考えられますが、何を議論するのかが曖昧だ、ということが多いようです。

今回はこのことについてお話します。



先日、ある会議で次のような議案が提示されました。

・当部門の生産性を更に向上させたい

・ついては、組織変更を行いたい

・今よりも課の数を増やして1つの課の所属員を少なくし、課長が社員一人ひとりを指導しやすくしたい

そして、変更後の組織図案が添付されていました。

起案者から議案の説明が終わって、議長が「では皆さん、ご意見をお願いします」と促しましたが、誰も発言しません。

仕方ないので議長から指名するとポツポツと意見を言い始め、やがて自ら発言する人が出始めました。

しかし、話があちらこちらに飛んでしまい、結局、結論めいたものは出せずに終わりました。

残念ながら、余り生産的な会議とは言えませんでした。

 

こういう状態になる大きな原因は「議案の出し方」にあります。

つまり、意見を言いやすい議案の出し方になっていない、ということです。

 

議論には、何について意見を言うのか、という論点があります。

そして、この論点が具体的なものであれば、意見は言いやすいのです。

上の例では、組織変更の案は提示されましたが、具体的な論点が示されていないため、意見が出にくかったのです。

例えば、次のような論点が提示されれば、意見は言いやすくなったはずです。

・当部門の生産性向上は、優先的に解決すべき問題か

・そうだとすれば、その原因は何か

・その原因を解消する施策として組織変更は有効か

・有効だとすれば、この変更方法以外にないか、この変更がベストか

これでもまだまだ抽象的ですが、論点を分けることで意見は格段に言いやすくなります。

そして、これらの論点について、起案者としてはこう考える、ということを説明した資料を作成すべきです。

1つ目の論点である、生産性向上は優先課題か、については、部門の解決すべき課題を並べ、その中でも生産性向上の優先順位が高い、ということを客観的に資料で示すべきです。

そうすれば、議長は「では、まず一つ目の論点の、生産性向上に取り組むべきか、という点について意見をお願いします」と進めることができます。

 

会議において、意見が言いやすい議案の出し方は、「はい」か「いいえ」で意見が言える出し方です。

論点について、予め検討した資料を用意すれば、

「確かに、この半年の生産性の悪化が収益の減少につながっているので賛成です」

というように意見が言いやすくなります。

 

上の例は少し大きな議案でしたが、小さな議案でも起案者は何を議論して欲しいのか、という論点を具体的に示すことがとても大切なのです。

あなたの会社の会議はいかがでしょうか?

もし意見が言いにくいような議案の出し方だったら、ぜひ何を議論して欲しいのかを具体的にしてみてください!
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